2023 大阪杯
今回のテーマは
2.今年の前哨戦
3.大阪杯は関東勢にとって鬼門
4.今年改定された斤量設定が及ぼす影響は?
1.持続ラップとは?
阪神内まわり2000mの特殊ラップについてお話しします。
大阪杯における特殊ラップとは
向こう正面もしくは3コーナー入口から
緩みない12秒ラップが4.5.6F連続で持続しやすくなるラップ推移
のことを指します。
これは中山2000m皐月賞でよく起こるのですが
阪神2000mでも起こりやすくなります。
実際に例年のラップを見ながら解説しましょう。
■ラップ推移から解説
■2022年
前半3F:34.6
後半3F:35.8
赤の部分がいわいる
「緩みない12秒ラップが4.5.6F連続で持続」している部分ですね。
■2021年
前半3F:35.6
後半3F:36.8
2021年は
1Fのみ息が入るラップが緑部分で発生しました。
■2020年
前半3F:36.9
後半3F:34.2
前後3Fだけ見ると前半スローの上がり特化に思えますが
極端に緩むラップは発生せずに12秒前後を持続しました。
■2019年
2019年は良馬場発表にも関わらず前日雨の影響大。
ラップも走破時計もゆるゆるでした。
■2018年
前半3F:36.5
後半3F:34.1
2018年は過去5年で最も後傾ラップになりました。
その分ラスト4F間(青部分)の上がり勝負に。
■今年の出走馬メンツ的には…?
大阪杯がGⅠに昇格したのが2017年。
この年を含む6年で
前傾ラップ3年/後傾ラップ3年ですが
上がり特化レースとなったのは1年のみ。
対して持続ラップ発生年は4年です。
今年のメンバー
ジャックドールに絡む逃げ馬はいませんが
番手候補は
マリアエレーナ、ノースブリッジ、ノースザワールド。
ジャックドール自身が35秒刻む逃げのスタイルのため
極端な後傾ラップにはならない可能性が高いと読むなら
今年も持続ラップ適性ある馬を選ぶべきだと思います。
今年の前哨戦
京都記念、中山記念、金鯱賞とのラップ比較です。
大前提として
京都記念は阪神内回りではありますが
距離2200のため距離長い分ラップは緩みやすいく
中山記念は会場も距離も異なり
金鯱賞は距離のみ同じで会場が異なるため
完全比較対象とはなりません。
ただ、阪神2000m以外の条件であっても
中距離戦における持続ラップによる好走経験の有無は
取り捨てに大きく関わります。
■京都記念
2023年
ユニコーンライオンが前半▲部分で飛ばした分
前傾ラップになりましたが持続ラップとはならず
△部分において息入る緩みあり。
■中山記念
2023年
1800m戦ではありますが
12秒前後の持続ラップ戦となりました。
■金鯱賞
2023年
800m過ぎから3F区間だけ持続ラップ発生しますが
前半緑部分で緩み過ぎたぶん、ラスト上がり勝負となりました。
これがジャックドールが好走した2022年だと
としっかり持続ラップだったのです。
■ラップ観点からのオススメ馬は?
今出走馬から
重賞における持続ラップでの好走経験馬をピックアップしました。
※各馬備考
ただし昨年の好走は特殊バイアス恩恵強い
2歳時ホープフルSでの好走のため若干割引
2歳時ホープフルSでの好走のため割引
小回りがだめなのかもしれない
重賞における経験なく不明
■レース展開においての注意点
凡走となったマリアエレーナは
内枠を引けば積極作もあるかもしれません。
あとはノースブリッジ。
この2頭の出方はレースラップに大きく影響しそうです。
どちらもジャックドールにプレッシャーかける動きをしなかった場合は
持続ラップではなく後傾ラップになってしまう可能性がでてきます。
大阪杯は関東勢にとって鬼門
宝塚記念同様、大阪杯は
関東馬、関東所属騎手には鬼門レースです。
大阪杯がGⅠに昇格してからの6年間
関東所属騎手成績:1.0.1.19
阪神外回りにおける
関東所属騎手の成績は若干向上しましたが
いまだに阪神内回りにおいてはかなり厳しい数字です。
関西所属騎手が
中山競馬場で苦戦していたようなのと同じでしょうか。
阪神内回りは難しいとの騎手コメントが目立ちます。
ちなみに
関東馬21頭のうち好走血統該当馬の成績は0.0.1.6
関東所属騎手騎乗馬の好走血統該当馬の成績は1.0.1.5
血統記事を読んでいただいた方ならピンとくると思いますが
該当率93%を誇るようなレースにおいて
好走血統にすら該当していないというのは…凡走は必然ですね。
確かに関東馬の成績は悪いのですが
凡走の大多数は好走血統に該当していなかったのが原因です。
関西馬なおかつ好走血統該当馬の成績は5.6.4.15
その中で関西所属騎手騎乗馬に絞ると4.6.4.13
今年改定された斤量設定が及ぼす影響は?
2023年から斤量設定・出走規定が変更されました。
そこで、好走血統の軸となる父ディープ産駒に
どれほどの影響がでるのか、データを見ながら推測してましょう。
父ディープ産駒牡馬 斤量別成績(過去5年)
※父父ディープは含まず
斤量57kg
大阪杯:2.0.4.15
ジャパンC:1.2.2.5
有馬記念:0.0.1.5
斤量58kg
天皇賞春:3.0.0.5
天皇秋:0.4.0.17
安田記念:1.0.0.14
宝塚記念:0.0.0.13
毎年安田記念では瞬発力勝負ほど
斤量負担の影響は出やすいというお話しをしますが
瞬発力をとわれやすい
安田記念や天皇賞秋においては
しっかりと58kgがディープ産駒成績不振につながっています。
各レース傾向や会場は異なりますが
たった 1kgの斤量差がしっかりと数字に現れた形となりました。
天皇賞秋、有馬記念は3歳馬斤量面有利
JCは牝馬斤量有利というデータをふまえた上でも
58kg斤量におけるディープ産駒古馬牡馬は好走率が低すぎます。
昨年の大阪杯では古馬牡馬は57kg斤量でしたが
今年は58kgを背負うこととなります。
この変更がディープインパクト産駒にプラスに働くことはまずありません。
好走血統パターンにおいて
Aランクはすべて父ディープインパクト産駒です。
昨年まではスピード配合が無双状態。
しかしこの+ 1kgが
スピードを削いでしまう可能性も頭に入れておくべきでしょう。
※誤解されませんよう追記しますが
斤量が取り捨ての最重要ファクターではありません。
あくまで
昨年までの傾向に変化を及ぼす可能性があるという注意喚起です。
まとめ
1.今年も持続ラップを刻む可能性は高め。適性のある馬を選ぼう。
2.持続ラップ経験の有無は取り捨てにおいて重要!
3.関東勢が苦戦傾向、ただ血統背景的に必然だったケース多数。
4.+1kgは間違いなくディープ産駒にはマイナス。例年傾向が覆る可能性も…?
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